※お互いのキャラを自分の話に登場させてみよう!!という雑談での一言から妄想したお話です。
 広い心でお読み下されば幸いです・・・。(プリさん同士のちょっとした会話です)
 当方の話をご存知ではない方が殆どでしょうから、わからない記述が出てくると思いますが、読み飛ばしてやってください(大汗















ここはプロンテラ大聖堂の礼拝堂でも最も大きな礼拝堂で、一般にも開放されている場所。
夜中にも騎士や司祭が交代で詰めている夜番は、暇な時はとことん暇である。
忙しい時は順番待ちなどもあり、人も多く賑やかなこともあるものだが。
しかし今夜は、夜中の2時を過ぎたあたりから訪れる訪問者は無く、静かな時間がゆっくりと流れていくだけであった。


こんな何も無い時間も、カシスはけして嫌いではなかった。
こげ茶色の髪に明るい茶色の髪の司祭カシスは、少しだけ目元を和ませる。
寧ろ夜の静けさとピンと張り詰めたように澄んだ空気は、とても好ましいと思う。
さらに共に夜番に詰めている人物が、信頼する友人であるならなおのこと。


少しだけくすんだ金の髪に、自分と同じ明るい茶色の瞳の司祭ヴァレリオ。
目指す戦い方もよく似ていて、年齢もほぼ同い年の友人は、カシスにとっても信頼することのできる素晴らしき友人達の一人であった。
しかも今回はカシスの方からお願いして、彼と今夜の夜番をしている。
事情があり、今のカシスは基本的に礼拝堂の夜番や、施療院の当直は免除されているのだが・・・



「すまないヴァレリオ。急に無理を言って・・・」

「カシス、また君は・・・今日何度目だいそのセリフ。」

「そ、そんなに同じことを言いましたか・・・?」

「俺が覚えているだけでも8回目だよ・・・答えは同じ。気にするな。」



苦笑しながら微笑んでくれる、ヴァレリオという名のプリースト。
今夜の夜番は本来ならカシスとフィルという司祭が担当だったのだが、フィルの具合が悪くなってしまい、急遽代役として頼んだのがヴァレリオだった。
カシスと組んで夜番になるには、高い神力を持ち、なおかつ信頼のおける者でなければならない事情があった。
条件を満たすプリーストはそう多い数ではなく、ヴァレリオはカシスと組める数少ない優秀な司祭の一人である。



「事情が事情なのだから、君が謝る必要などないよ。そんな申し訳なさそうな顔をしないでほしい・・・カシスが悲しそうな顔をしていると、俺も悲しくなる。」

「ありがとうヴァレリオ・・・相方さんのアルカージィさんに、どうかよろしく。」

「ん・・・大丈夫だ。あれは拗ねているだけだからね。」

「せっかく2人きりで過ごせる夜を、駄目にしてしまったのだから当然です・・・わかってるんです・・・私の我儘だってことは・・・」

「君のどこが我儘なのか、俺にはわからないんだが?」



首を傾げて真摯に見詰めてくるヴァレリオの、優しい視線にカシスは困ったように微笑む。
事情を全て知っているヴァレリオは、いつも何かと助けてくれていたから、その意味でもカシスは感謝と共に申し訳ない気持ちもあって、眉尻を下げて少しだけ弱音をはいてしまう。



「組むのが私でなければ、わざわざヴァレリオに頼むことなんて無かったんですから、十分に我儘ですよ・・・私は普通でいたいんだと思います。今もいつもなら1人の騎士さんか聖騎士さんで良いところを、3人もの騎士達が警護してくれていますし・・・急に周りが変化して、それに順応できていないんです私・・・私が夜勤などに参加すれば、それだけ他の人に余計な手間をかけさせるのですから。」

「カシス、これだけは言わせてもらう。君は何一つ悪いことなんてしていない。君が思い悩むことはないんだ・・・寧ろ俺は頼ってもらえて嬉しいよ。」

「ヴァレリオは優しいですね・・・いつも私は君には弱音を言っているような気がします。ラヴェルやアルマも、君には何故か嘘がつけないと言っていました・・・私もそうです。」

「君達のつく嘘は、人を傷つける類のものではなく、人を気遣ってのものばかりだ・・・そのままの君達で接してくれるのは、俺も嬉しいよ。それだけ信頼してくれているわけだろう?」

「もちろんだよ・・・ヴァレリオは大事な友人ですから・・・」

「俺にとってもそうだぞ。君達は大切な友だ・・・」



ヴァレリオは柔らかく微笑んで、手元の袋から何か取り出す。
それを一つそっとカシスに差し出して、自分ももう一つ取り出し口に放り込んだ。
包みを開けて同じように口にいれたものは、とても優しい甘さのキャンディ・・・
不器用だが、まっすぐで気持ちの良いヴァレリオの優しさが胸に染みる。
自然に微笑みが浮かんできて、友人の気遣いがどうしようもなく嬉しかった。


時折訪れる人はあれど、概ね夜明けまで静かな時間を共有した2人。
朝の礼拝当番の司祭達と交代し、朝日の眩しい扉の外に出て行く。
そして扉がよく見える位置に佇む、青い髪のウィザードを見つけた。
あれは確かにヴァレリオの相方の、アルカージィという青年。
片目を隠すように伸ばされた青い髪と、知的な眼差しが魅力的だと思う。
妖艶とも思われる美貌は、自分の相方と共通する魔性の美しさ。
カシスはしみじみと呟いてしまう。本当になんでこうまで・・・・



「ウィザードって、なんで美形な人が多いんだろう・・・」

「・・・ん、何だい?」

「あっいえ・・なんでも無いです。アルカージィさんが迎えにきてますよ。」

「寝てて良いと言ったのに・・・まさか寝てないんじゃないだろうなアルのやつ・・・」

「早く行ってあげてくださいヴァレリオ。本当にありがとう。助かったよ・・・」

「俺で良ければいつでも声かけてくれ。寧ろ俺に変な遠慮しないでくれよ?」



ヴァレリオの言葉に、カシスは心から微笑んで彼を送り出す。
手を振りながら、相方のアルカージィの元に歩き出すヴァレリオ。
アルカージィと目が合ったら小さく会釈されて、慌てて頭を下げるカシス。
彼には嫌われてるかもと思っていたが、普通に挨拶してくれたので何だか嬉しい。


仲良さげに連れ立って去っていくヴァレリオとアルカージィ。
カシスはもう一度彼らの後姿に頭を下げた。




【夜は決して一人になってはいけない。】




これは絶対に破ってはいけない約束。
大司教・司教・エクソシストである友人達、彼らからこれだけは違えてはいけないと諭されていた。
普通にプリーストとして生きるのにも、今は色んな人の助けがいる。
これからを思うと少し不安ではあるが、精一杯頑張って生きていくしかないのだから・・・
嫌な顔一つせずに助けてくれた、ヴァレリオのような友人は大変貴重なのだ。



「ありがとうヴァレリオ・・・」

「良い奴だな・・・」



後ろから一緒に夜番をしてくれていた、親友でもある銀髪の騎士オージェがそっとカシスの肩に手を置いて語りかける。
オージェに向かって静かに微笑みながら、カシスはしっかりと頷く。



「素晴らしい友人です。ありがたいことです・・・オージェ・・・君もありがとう。いつも付き合ってくれて。エヴァはムクレてなかったですか?」

「エヴァがそんなことをするわけがないだろう。昨日思いっきり甘やかしておいたし、エヴァも一緒にくると言って困ったくらいだ。私はお前の守護騎士なのだから、護衛につくのは当然のことだ・・・さぁワールウィンドに乗って帰ろうか。さっきからワールがお前に撫でてほしいと待っているぞ。」

「帰ろう・・・朝ごはん食べて行って下さいね。君の好きなホットサンド作ります。」





貴公子のようなオージェが、その誘いに嬉しそうに頷く。
朝の爽やかな風に吹かれながら、瞳をキラキラさせているオージェの愛ペコに向かって歩き出した。
カシスが側にいくと、すりすりと嘴を擦り付けるワールウィンドの首をゆっくりと撫でてやると、気持ち良さそうに『クゥゥ・・・』と鳴くのが可愛くて可愛くて仕方がない。



「おはようワール・・・良い朝だね。君のご主人を一晩借りたよ・・・」

「クエエックエッ♪」

「カシスの前だと本当にデレデレ状態だなお前は・・・まったく。」



主人であるオージェが、その端正な顔で呆れたように苦笑した。
オージェに支えられてペコペコの上から見た街並みの中に、くすんだ金の髪の司祭と青い髪の魔法使いがかなり濃厚な口付けを交わしていたのが見えたが、カシスは顔を真っ赤にしてうつむいた。



「ん、どうしたカシス?」

「いっいいえええっっ!!なんでもない!!なんでもないですから!!」

「?????」



不思議そうな表情のオージェは、順調に家までの道をペコ手綱を操り進んでいく。
ヴァレリオとアルカージィの関係を知ってはいたが、やはりうろたえてしまうカシスであった。
翌日ヴァレリオに会った時、思わず赤面してしまったのは、嘘のつけないカシスらしいと言えよう。








「や、やはり見られてたじゃないかアル!」

「カシスさんなら、絶対に言いふらしたりしないだろうし、良いじゃん。一晩寂しかったんだから、当然の権利だと僕は主張する!!」

「だからといって、あんな所であんなことを・・・」

「え、僕のキス気持ち良くなかった?」

「そういうことじゃなくてだな・・・人様が見るかもしれない所でするのが・・・」

「キスは気持ち良かったってことだよね。」

「ア・・・アルーーーーー!!」




とかいう痴話喧嘩がギルドハウス中に聞こえたとか・・・・













END









勢いのままに書いてしまいました・・・ごめんなさいっ!!><;
ねこしか様ともうお一方にしか見せる予定のなかった話ですが、HPに飾ってくださるとのことで、元々小さい心臓がキュンッとしました・・・(ぜぇぜぇ)

ねこしか様のファンの皆様には、大変申し訳ない持ちで一杯ですが、広い心でお読み下されば幸いでございます。ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
受け取って飾って下さった、ねこしか様には大感謝なのです(n'ω'n*)



平成18年4月9日 らうるす















|ω・`)<ねこしかですっ

 憧れのらうるすさまからの頂きものにもう、嬉しくて泣きそうというか、
頂いてから時間が経ったのにまだ夢見たいというか……!
 しかも一番大好きなカシスさんとうちのヴァレリオがっ Щノx)・゚・
 うれしすぎてもう「しあわせ」とか「もえ」とかしか言葉が出てきません。
 その上、素敵タイトルまでつけていただいて……。
 らうるすさまのタイトル、いつも大好きだったので嬉しくて嬉しくて!
 幸せすぎるのでコメントは控えめにしておきますっ(゚パ*)

 らうるすさまの素敵なサイトはこちらなのですよ!
 思わず、らうるすさまのお名前全部にリンク張りそうになる勢いで
キュンキュン中なのですヾ('-'*)ノシ